オフセットワインディング


 

 

OFFSET WINDING

ハムバッキングとは、「逆磁極、逆巻きの位相を利用してノイズを打ち消す」システムである事は広く知れています。外部電源を用いず最も簡便な構造で絶大な威力を発揮したこの構造は全てのピックアップメイカーに多大な影響を及ぼし、これを踏襲した製品は現在市場に溢れかえっています。

OFFSET WINDING|K&T MODERN VINTAGE GUITARS PICKUP


出力が高くノイズが軽微、と良い事尽くめに見えるこの構造にもたった一つの大きな欠点が存在します。それは「ノイズを打ち消す」と同時に弦信号の一部をも打ち消してしまう点です。両方のポールピースに同じ振幅が跨っている場合には(図1)効率よく真価を発揮しますがもし、ポールピースそれぞれに逆向きの振幅があればその振幅を持つ信号は打ち消されてしまいます。(図2)そしてこの振幅のみならずこの振幅の倍音(無限にあります)までもがすべて消失するのです。

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これを極力防止するためには2基存在するボビンの仕様を適宜変更し「全く同じ能力を持たせない」しか手が打てません。そうかと言って内容に極端すぎる差異を持たせると今度は「ノイズを消す」能力に陰りが見えてしまいます。
ヴィンテージPAFが位相対策のために採っていた手間のかかる「オフセットワインディング」を採用しているK&Tのハムバッキングに、この位相トラブルは最小です。耳の良いギタリスト達が即、違いを感じる大きな特徴となっています。信号損失の少ないこのオフセットワインディングはK&Tハムバッカー全てに採用されています。

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